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「ユリス錠の勉強会」をしました

2020.08.25

《ユリス錠の勉強会をしました。》                        2020年6月23日実施

                                        By W.S @妹尾店

◎販売名;ユリス錠0.5㎎

          1㎎

          2㎎
 

◎成分名;ドチヌラド(選択的尿酸再吸収阻害薬)

 

◎効能・効果;高尿酸血症、痛風

 

【そもそも高尿酸血症、痛風とはどのようなものでしょうか??】

 

血液中の尿酸値が7.0㎎/dlを超える状態を高尿酸血症と呼んでいます。
尿酸値が高いだけでは症状はありませんが、血中の尿酸値が高い状態が続くと溶け切れなくなった尿酸が結晶となり、関節などに蓄積していきます。
蓄積した尿酸の結晶は体が異物として認識するためにそこで炎症が起き、これが痛みとして感じられるようになります。これが痛風発作です。
また尿酸が腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じ、結石が尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし、激痛を生じます。これを尿路結石と言います。
高尿酸血症は、圧倒的に男性の患者が多い病気です。高尿酸血症に女性の患者が少ないのは、女性ホルモンが尿酸の代謝に関連するためと考えられています。しかし女性や子供であっても高尿酸血症にならないわけではありません。(生活習慣ケアコラムより引用)

 

◎特徴;尿酸再吸収を阻害することに特化した薬。
再吸収阻害に重きを置いているので、尿酸分泌経路を阻害しにくい。

 

◎作用;高尿酸血症の治療のうち、ユリスの作用として尿酸の再吸収抑制(尿中排泄促進)に関わる受容体について次頁の図を参照してみましょう。

 

最近になって高尿酸血症の1つの病態として、尿酸の再吸収亢進が明らかになってきています。

 

それは左記の図では、URAT1という膜輸送体が活性化している状態と言い換えることができます。

 

そこを阻害することでユリスは体外に出ていく尿酸量を相対的に増やしています。

 

 

 

◎用法・用量;通常、成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mgとする。(PMDAより引用)

 

◎用法・用量の注意点;尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるので、本剤の投与は0.5mg1日1回から開始し、投与開始から2週間以降に1mg1日1回、投与開始から6週間以降に2mg1日1回投与とするなど、徐々に増量すること。(PMDAより引用)

 

◎副作用;主な副作用として、痛風関節炎(5%以上)、関節炎(1~5%未満)、四肢不快感(1~5%未満)が報告されている。(PMDAより引用)

 

◎考察
高尿酸血症は日頃の不摂生に由来することが多いと言われている。高尿酸血症に端を発する症状として痛風や尿路結石も同様に日頃の生活習慣に原因が潜んでいることは以前から言われている通りです。
好発層は生産年齢の中でも仕事に隆盛を極める年齢の男性に偏っているが、それは職務上の付き合いや仕事の進捗に左右され規則正しい生活が送りにくくなっていることも関係しているかもしれません。
今までもこれからも尿酸値を下げることに秀でた薬が開発されても普段の生活を見直さないと同じことの繰り返しになるのかもしれません。
高尿酸血症以外にも色々な生活習慣病が多い中、それらを幾つも罹患されている方もみえるかもしれません。
このユリス錠に関しては、他の薬との相互作用が少なく且つ服用回数が1日1回ということでとても使いやすい薬だと考えられる。

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