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片頭痛治療剤 5-HT1F受容体作動薬「レイボー錠」の勉強会をしました

2022.09.27

片頭痛治療剤 5-HT1F受容体作動薬「レイボー錠」の勉強会をしました。
                           
                          令和4年7月25日 @はな薬局藤田店 YM
販売名:レイボー錠50mg
        錠100mg
 
成分名:ラスミジタン

効能・効果:片頭痛
 
用法・用量:通常、成人には1回100mgを片頭痛時に経口投与(患者の状態に応じて1回50mg又は200mg投与)頭痛の消失後に再発した場合は、24時間あたりの総投与量が200mgを超えない範囲で再投与できる。
 
 「片頭痛の症状から早く解放されたい」「痛みをぶり返さないでほしい」「服用タイミングがしばしば遅れてしまう」などの悩みをかかえる片頭痛患者さんのお薬がレイボーです。
脳の様々な場所で神経の活動が活発になり、片頭痛の原因となる物質(CGRPやグルタミン酸など)が過剰に放出されることで、片頭痛発作がおこります。
 セロトニン1F受容体は脳の神経などに存在し、片頭痛発作の病態に関連すると考えられています。レイボーがセロトニン1F受容体に結合し、片頭痛発作をおこす物質の放出をおさえます。レイボーは片頭痛発作を引きおこしている脳の神経に直接はたらき、片頭痛発作の症状をやわらげると考えられています。
 血管内皮細胞5-HT1B受容体が刺激されると血管が収縮しますが、レイボーは5-HT1B受容体への作用がほぼ無いため、血管収縮に影響を与えないといった特徴があります。したがって、トリプタン製剤で禁忌とされている心筋梗塞、虚血性心疾患、脳血管障害、一過性脳虚血性発作の既往、末梢血管障害、コントロールされていない高血圧症などの患者さんに対してレイボーが期待できるのではないかと考えられます。
 
① 片頭痛発作がおきたときに飲むお薬です。
 レイボーは、様々な種類の頭痛の中でも片頭痛だけに効く、片頭痛専用のお薬です。片頭痛発作時のみに使用し、予防的には使用しないようにしてください。服用タイミングには影響されにくいお薬ですが、片頭痛発作がおきはじめたら、我慢せずに早めに服用しましょう。
 片頭痛発作の特徴は、じっとしているほうが楽(動くと痛みが強まる)、吐き気がある、光や音が過度に気になる(暗くて静かな部屋にいたい)などです。このお薬を使用してもまったく効果が認められない場合や、いつもと違う頭痛があらわれた場合は、他の原因による頭痛の可能性があるので、それ以上このお薬を服用せずに、医師に相談してください。
 
② 医師と相談をして、ご自身にあった用量を選びましょう。
 このお薬の通常用量は1回あたり100mgです。ただし、お薬の効果や患者さんの状態によって用量を調節できます。医師の指示にしたがってお薬を服用しましょう。
 200mg錠はありません。200mgを服用する場合は、100mg錠を2錠服用するなどしてください。
 2回目以降の処方は医師と相談しましょう。評価するためのサポートツール「レイボーはじめてシート」をご用意しています。レイボー服用後の症状やご自身で覚えておきたいこと、医師に伝えたいことなどを記録しておき、必要に応じてご相談ください。

・効果が十分でない場合、
 効果が早くでてほしい場合、
 効果が長く続かない場合など :200mg服用
・通常用量          :100mg服用
・副作用の程度が強い場合など :50mg服用(通常用量の半分)
 
③ 24時間で合計200mgを超えないようにしましょう。
 このお薬を服用したあとにいったん痛みがなくなり、もし再び片頭痛による痛みが戻ってきた場合、再度このお薬を服用することができます。その場合は、24時間で合計200mgを超えないようにしましょう。
※痛みがおさまらなかった場合に追加で服用したとき、効果は認められていないので、痛みがおさまらなかった場合の対応を事前に医師と相談しておいてください。翌日にわたり服用が必要な場合、24時間以内に200mgを超えないように服用時間を記録して服用量を守りましょう。
 
④ 服用にあたってのご注意
 このお薬は、めまい感や眠気があらわれることがあります。
・このお薬でのめまい感や眠気は、お薬を服用してから1時間以内にあらわれることが多く、およそ数時間でおさまると報告されており、また、はじめての服用時に最もあらわれやすいとされています。
・このお薬では1回の服用量が多いときに、これらの症状があらわれやすくなることが報告されています。
・めまい感や眠気は、お薬とは関係なく、片頭痛によっておこることもあります。
・レイボー服用後は自動車の運転などを避けてください。
 
[まとめ]
レイボーはこんなお薬です。
・セロトニン1F受容体作動薬でトリプタン製剤ではありません。
・三叉神経終末からのCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)やグルタミン酸などの放出を抑制します。
・血管収縮には影響を与えません。
・服用するタイミングには影響されにくいお薬ですが、片頭痛発作がおきはじめたら、我慢せずに早めに服用しましょう。
・24時間で合計200mgを超えないようにしましょう。
・めまい感や眠気があらわれることがあります。服用後は自動車の運転などを避けてください。

 
 片頭痛発作の急性期治療薬として選択肢が増えたことで、患者さんの日常生活の負担を軽減し、より豊かな生活をおくることができるものと期待されます。

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